ミラン・クンデラ『冗談』

じっさい、私が女性のどこが好きかと言えば、あるがままのその女性ではなく、その女性が私に訴えるもの、私にとってその女性が体現するものに他ならない。私はふたりの物語の登場人物としてその女性が好きになるのだ。

私は間違いから生まれた事柄も理性と必然から生まれた事柄と同じように現実になるのだと感じてぞっとした。