2017-06-04 浅田次郎選『翳りゆく時間』 メモ 山田詠美『天国の右の手』 淳士は眼鏡を外して目頭を指で押さえた。 「目が疲れた。外国に来ると色彩が多過ぎるように感じるよ」 「それがほんとなのよ。東京では誰もが色弱になるわ」 「そうでもないよ。きみが、ぼくの視界に飛び込んで来ると、いつもこんなふうに感じる」