萩原一至白黒画集(妄想)

先日ふとBASTARD!!ノベル版イラストが気になって見直していたのだが、単行本(漫画・小説)にも画集(第一・第二)にも収録されてない絵がジャンプノベルの切り抜きに散見されたので慌てつつ、せっかくなので全カットスキャンした。しかし一作目はまだよかったが二・三作目が見開きやら文字カブリやら多くて大変だった。そういうのこそ画集でちゃんと見せてほしいのに……と思って改めて見ると、全体的に白黒原稿の扱いが低い本だなあ。そもそも各カットが小さいし、画集においても見開きで載せられたら見づらくて仕方ないというに……。ノベル一冊目に描き下ろされた漫画も第二画集でようやく収録されて安堵したけど、それでも画面小さいしなあ。というか第二画集の横開きってのはカタログっぽくて楽しいけど見やすさって意味では若干疑問が残る。萩原先生がノベル版で新境地を開拓したペンタッチ重視の描画を堪能したいのに。余談だがあの頃、季刊連載時ってのはバスタードって作品にとって漫画本編とノベル等の他仕事がいい刺激を与え合って、新たな表現方法の模索なんかにも繋がっていた奇跡的な時期だったと思う。それが徐々に体調や制作進行を圧迫していき作品自体へも悪い影響を及ぼすことになっていくわけだが……。
閑話休題。そんなわけで、あの辺の未収録作品集めた本でも出してくれないかなーという妄想。ノベル版の挿絵及び描き下ろし漫画の全収録をメインに、バスタコミックスの扉イラスト(一部のみ完全版に収録という不完全さ……)、あとは雑誌用の予告的なカットだったり(週刊終了して季刊連載開始一回前のポスター裏面に載ってた近況四コマとか)、他作家さんへの寄稿なんかも結構あると思うんだよなー。それと同人も含めたら俺が把握してる(http://d.hatena.ne.jp/asaibomb/00010102#p1)だけでもかなりあるし。プロジェクトA子のパロディ漫画もあるな(でもコレは『HAQ本』見たかんじ原稿手元になさそう?)。この辺まとめたらB5かA4サイズで50〜100ページ位の1000円本一冊くらい出来ると思うのでラウドには検討してほしい。とかって要望でも出してみようかしら(企画書か?)。一枚一枚じっくり見られるって意味では複製原画集みたいのでもいいんだけど「本」じゃないとイマイチ惹かれないのは最早フェティッシュとしか言うほかないが……。萩原先生もノベルイラスト描くにあたって影響受けていた幡池裕行さんのモノクロ画集とか燃えて買ってた身としてはそんなん見たすぎる……。
そういえば最近ミルトン『失楽園』とかダンテ『神曲』(とりあえず地獄篇)読んで、バスタにすっげ取り込まれてるのも確認した(うんちくにも明示されてるし)。ドストエフスキー『おかしな人間の夢』もルシフェルっぽかった。この辺のイメージどんどん視覚化してほしいなあ。18巻サタン独白あたりに色々あるけどもっともっと見たい。漫画としてネームに起こすのが大変(で、今の進行も遅れがち)なのは想像に難くないんだけど。それか小畑健の『人間失格』みたいに文庫の表紙とか担当するみたいな方向でもいいけど。ってまた余計な仕事が増えるのは困るか……。
そもそもなんで今になってノベル絵見直したかっていうと、マジすか学園3のノブナガの雰囲気がノベルマンガのダーク・シュナイダーっぽいな、と思ったからなのだった。てことでソレ風を目指して描いてみた。キャラ自体はともかく、背景との関係(いかに馴染ませるか、或いは浮き上がらせるか)もちゃんと考えて描かなきゃダメだな、と痛感した次第。でも後ろの蛇(メタリカのブラックアルバムのジャケ参考にした)を縄絵で描いたり、カケアミのアクション作ってみたり遊べたのでよかった。