KINGofOZ@東京卸商センター

asaibomb2010-04-11

サマウォ佳主馬オンリー。コミックス2巻出た辺りで急に本作る気になってオンリーも探し始めたものの軒並み申し込み期限来てて失敗したと思ったところが、サークル参加する【ORIGINAL COMPLEX】の松村直紀さんが委託誘ってくれたので有難くお言葉に甘えさせてもらいました。ありがとうございましたあっ!ていうか事前の挨拶はもちろんよろしくお願いしまあぁああす!ということで。
入場したらまずはショタラッチのチラシ配るというのでお手伝い。長いこと同人やってるけどスタッフ側やったことって殆どないからイイ経験になった。200スペース弱でも結構大変だったのでコミケレベルの予想も難くありません。ご苦労様です!スペースでも色々話せて興味深かった。丁度スピーカーが目の前でちょっと音デカイかなーとか思ったんだけど、会場全体にアナウンス行き届かすには必要なモノだし、重要な備品の一つなんだよなーとか、普段気付かない点も発見できた。
自分としては当初COMIC1合わせで進めていたカズマ本をせっかくだしと今日合わせで発行!見てくださった方ありがとうございました。オンリーに新刊出せるって嬉しいなー。本の内容には毎度反省点もありますが次に生かしていきたいところです。書店委託も始まってるのでよろしくお願いしまあぁあす!とかゆって。虎の穴()とメロンブックス)です。もちろん4/29COMIC1にも持ち込みます。もいっこコピー本でも作りたいなー。オズモシスかオズフェストってタイトルやりたいんだけど(オズボーン)。
買い物もイッパイ出来たー。女性系の本には目を見張るコト多いなあ。つか、基本的に男性系だといわゆる属性括りの方が活発な傾向で作品単体オンリーってそんなにはない気するけど、更に今日は一キャラのみで200スペース全部!って状況にクラクラする。
あとイベント全体としても企画とか盛り沢山で充実してた。オンリーだからってのはわかるけど、来場者全員に配ったスクラッチカードで当たる景品が抱き枕とかタンブラーとかTシャツとか、それも今日だけの為に絵とかも描き下ろしてワンオフで用意ってスゴすぎる。立て看板も希望者にプレゼントしたみたい。途中で当選が出きってないからってんでカード再配布もしたおかげで私もポストカードセット頂きました。これで暑中見舞いでも出そっかな。
時間ちょい心配あったんで閉場を待たず一足先に帰らせてもらいましたが、充分に楽しませてもらいました。委託先の松村さんに改めて感謝!そして皆さんお疲れ様でしたぁあっ!


アンドレ・ジイド『背徳者』

多くの大才は、結論を下すことを極度にきらったように私は考える。――それに、問題を巧みに提出することは、予め問題が解決されていることを予想するものではない。
心ならずも、私はここに「問題」という言葉を使ったが、実を言えば、芸術には問題などというものはありはしないのだ。――芸術作品がその十分なる解決でないような問題は。

翌日、バシルがまたやって来た。彼は、前々日のようにすわって、ナイフを取り出し、木を削ろうとしたが、木が固すぎたので、したたか拇指に切り込んでしまった。僕は恐ろしさにぞっとした、彼は、平ちゃらといった顔で、光っている傷口を見せ、おもしろそうに血のしたたるのをながめていた。笑うと、まっ白な歯が見えた。そして、愉快そうに傷口をなめた。猫のように薔薇色の舌だった。ああ!なんて健康なんだろう!僕が彼に惚れ込んだのはこれだ。この小さな肉体の持つ健康は、ほんとに美しかった。

俄然、驚くべき明瞭さで、これまでの自分の手当てが、十全なものでなかったことを覚った。これまでは、空漠たる希望にたよって、いいかげんに生きて来たのだ。――それが突然、自分の生命は攻撃されているのだ、生命の中心に猛烈な攻撃を受けているのだということが、はっきりとわかった。無数の活発な敵が、自分の体内に生きていたのだ。僕は、耳を澄まし、動静をうかがった。そして、彼らの存在は確かめた。闘わずしてこれに打ち克つことはできまい……僕は、このことを自分自身に一そうよく納得させるように、小声で付け加えた。これは意志の仕事だぞ、と。
僕は、対敵行動を開始した。
日が暮れかけていた。僕は作戦計画を立てた。しばらくは、なおることだけに専念しなければならない。僕の義務は、僕の健康だ。健康に益あるものはすべて良しと思い、「善」と呼ばなければならない。治癒に害あるものはすべて、忘れ、斥けなければならない。――夕食に先立って、呼吸、運動、栄養に注意することに決心した。

「僕のために祈ってはいけないよ、マルスリーヌ」
「なぜ?」やや面食らって、彼女が言った。
「僕は、人の保護を受けるのがいやなんだ」
「神様のお援けもいらないとおっしゃるの?」
「援けてもらえば、あとで神様に感謝しなければならないだろう?つまり、義務を負うことになる。それがいやなのさ」
われわれは冗談めかして話していた。しかし、二人の言葉の重大さは、少しも誤解してはいなかった。
「おひとりでなおることはできませんわ」と彼女はため息とともに言った。
「そんならそれで、仕方がないさ……」それから、彼女の悲しそうな様子を見て、やや調子を和らげて付け加えた。「お前に援けてもらうからね」

僕の比類ない努力については、どう話したらよかろう?もし、自分が完全な人間になりうると考えなかったら、自分というものに興味が持ちえただろうか?ただ漠然と想像しているに過ぎない、この見も知らぬ完全を目ざす時ほど、僕の意志が昂揚したことはない。僕は意志のすべてを傾けて、肉体を強化し、赤銅色にすることに努めた。サレルノの近くで海岸を離れ、われわれはラヴェルロに着いた。この地の、ひときわさわやかな空気、奇岩怪岩の妙趣、底知れぬ深い谷が、僕の力や喜びを盛り立て、僕の情熱をあおった。

ラヴェルロからソレントへの道筋の美しさは、その朝、地上でこれ以上美しいものなど見たくないと思ったほどだ。峨々たる岩石、ふんだんの空気、馥郁たる香り、清澄な空と水、すべては生きることの尊い魅力で僕の心を満たし、すがすがしい喜びのほか、身内に住まう何物も感ぜられなかったほどの、満足を味わった。思い出も名残りも、望みも願いも、過去も未来も、黙して語らなかった。僕はもう、生命に関して、瞬間が生命から持ち去り持ち来るものしか知らなかった。僕は叫んだ。
「おお、肉体の歓喜!わが筋肉の確実な韻律!健康!……」

僕は、彼も飲むことと思って承知した。と、グラスを一つしか持って来ないので、僕が意外に思った。すると、彼は言った。
「失敬だが、僕はまるでやらないんでね」
「酔うのが心配なのかい?」
「なんの、」彼は答えた。「冗談じゃない!しかし、僕は節制の方がさらに強い陶酔だと思うんだ。正気も失わないしさ」
「そのくせ、人には飲ませるんだね……」
彼は微笑した。そして言った。
「だれにでも自分の美徳を要求することはできないさ。他人の中に自分の悪徳を見つけることができれば、それだけで立派なことだ。……」
「でも、煙草は喫むだろう?」
「煙草も喫まん、あれは没個性的な、消極的な陶酔だ。だれでも雑作もなくできることだ。僕は陶酔の中に、生命の高揚を求めるのだ。生命の減少じゃない」