川原由美子『前略・ミルクハウス』
部屋整理の流れで買ったきり放置していた漫画を読もうのコーナー。川原由美子というと『観用少女』の繊細な世界観は好みだったのだが、『前略・ミルクハウス』はドタバタコメディ。ストーリーより寧ろ絵に惹かれたかも。昭和60年(1985年)前後に別コミで連載されてたみたいだけど、随分トーンとかカケアミとか駆使した緻密な画面なんだなーと驚いた。渡辺多恵子とか吉田秋生とかも同じ流れだと考えると納得できる。所々80年代ノリも感じるけど。扉絵なんか一枚イラストとしてすげーポップ。
表紙も、服と背景が溶け込むように馴染ませてたり、えらい綺麗。つか、ずっと主人公「芹香」ちゃんの立ち絵なんだけど、顔が見えない!のが勇気あるなーと思った(裏表紙は普通に顔も見えるバストアップだけど)。そんで最終10巻で遂に顔出し(ウエディングドレス!!←でいいのかな?)てのがにくい演出。
ちなみに偶然にも(?)女装男子「涼音」君が主人公格というか芹香ちゃんの最終的な相手になってたけど、この結末はちょっと意外というか唐突な印象だったかも。てっきり「藤」君とくっつくのかと……。でも藤君に途中からチョッカイかけてきた結衣ちゃんが一番好みなキャラっぽかったからよかった。
あ、あと10巻末に収録されてる読切『夏だったね』がお話としては好きだったかな。ページ下半分で好きな音楽について語ってたりするのも'80s!ってかんじ。今もあるか。