宝塚歌劇雪組東京特別公演ミュージカル『カラマーゾフの兄弟』@赤坂ACTシアター

asaibomb2009-01-14

タイトル書いててそーいやコレって「ミュージカル」なんだな、と再確認。というのは見始めてすぐに感じたことにも通じてて、随分アッパーでダンサブルなんだなーと思ったらひとしきり踊ったところで拍手起こったりして、え・途中なのに?と驚いたがライブで1曲終わって拍手するのと同じ感覚なのかと納得。「歌劇」なんだもんな。というわけでカテゴリも音楽・ライブで。でも最初セリフ無しで踊る部分とか必要なの?!ストーリー進めた方がよくない!?なんても考えてしまったのだが、いい緩急だった。そもそも60分ずつ二部構成(間に25分休憩)の2時間程でカラマーゾフ全篇あますことなくやろうったって無理な話で、潔いダイジェストとして上手いこと再構成されてた。
いきなり印象強い裁判シーンで始まる所から全編通して長男ドミトリィを中心に据えていて、配役としてもこの人がいわゆるトップみたいな人なのかな?でも一番いいキャラ感じたのは次男イワンだったかなー。深層心理の体現である「分身」みたいのも、小説のいわゆる地の文だとか劇なんかだと伝えづらかったりする部分も馴染ませてくれる。それから三男アリョーシャはここでもキレイキレイな男の子であるだけに一層、ドストエフスキー当初の構想にあった第二部で皇帝暗殺を謀るテロリストになって絞首台に上る、て展開も読みたかったなー!と改めて思わされた。でもって一番印象変わったのが下男スメルジャコフ萌えキャラで参った。小汚いオッサン想像してたのに!そら宝塚って時点でみなさん美形なのは言うまでもないけれど!
第二幕は冒頭「大審問官」から入ってイワンの行動原理として示されるんだけど、舞台の特性上おおまかな説明した後は唄として連呼されると言葉のインパクトだけ際立っちゃうかな、というのは面白くもあり勿体なくもあり。でも一貫して唄われるカラマーゾフのテーマみたいな主題歌(?)で「衝動」を主題にしてるのは好みだった。人間の自由意志による行動が常に「罪」を孕んでいる……てな認識でいいのかな。原罪。
そういえば本編終わった後に全然関係ない(?)完全ダンスステージが10分近くあってビックリしたんだけど、その後でいわゆるカーテンコールだったので出演者の準備待ちって意味もあったのかな?で、挨拶して下りた幕が拍手に促される形で再度上がる、て流れが3回くらいあって、そこでも「みなさんの衝動のままの拍手に感謝します」みたいな言葉あってなんだか気持ちよかった。あーあと演者が出てくるとき客席に手を振ったりするような動きも、カラマキャラとしてだけでなく役者さん自身のパーソナリティー理解してると余計面白かったりするのかな、とも思ったけどまあそれはライブでもなんでもそーだな。
とても楽しい時間でした。初・宝塚でしたが、もちろん役者なり脚本なり演出なりで変わるのはあるとして、演目によってはまた行きたいと思いましたよ。個人的には特に原語で読めない小説なんかはストーリーさえわかればOKなので漫画でも演劇でもじゃんじゃん翻訳していってほしい。ロシア名前なんかニックネーム交じって混乱しちゃうからイメージ付けやすくなっていいし。『カラマーゾフの兄弟』自体も一回読んだきりで正直理解し切れてないとこ多いのでもっかいちゃんと読み直したい。
ところで横の絵はもちろんヅカマーゾフでなく本来の男キャラのつもりなのだが、帰ったら仕事つまってたのでとりあえず印象だけでも忘れない内にメモっとこうと公式サイトでキャスト紹介とか参照しようとしても写真なんか全然なかって参った、のが14日深夜、そんで千秋楽だったもんだから今朝起きて見に行ったらもう公演案内からもスッパリ消えてんのね。最新情報に切り替えるのは当然だが過去ログとかにもなってなくてなんだかキツネにつままれたよーな気分になっちまった。パンフくらい買えばよかったかなー。