テンサイハサイガイダ

代替文
眉村卓『天才はつくられる』読んだ。コレを萩原一至・由美もりお・鶴田洋久三氏によってリレー形式でコミカライズした作品が同人誌『MADE GENIUS』として'90.冬コミにSTUDIO LOUD IN SCHOOLから発行されたんですね。そのSIDE.2こそが萩原先生が「マンガとゆーカタチのものをはじめてかいたってゆー…」(後書きより)とのことで興味深かったのです。
で原作もやっと読んでみたわけです。ん、普通に面白かった。選ばれし天才少年たちが凡人を支配し世界を治める企みを持ち……みたいなノリはバスタードにおける十賢者に繋がるのかなーとか考えながら読んでたんだけど、まーアニメマンガの定番ネタっちゃーネタですわな。というか自分の中では(当然の如くバスタ4コマ『高円寺の昼と千億の夜』の元ネタってことで読んだ)萩尾望都百億の昼と千億の夜』の衝撃がデカかったんですけど。エヴァのゼーレなんかもそーな。一部の天才は凡百の平民を踏み越える権利を持つのか、ていう『罪と罰』的な部分がバスタ内でちょっと宙ブラリン状態になってるのは残念なんだよなあ。まあ方向性は示してるので別に明確的な回答を出す必要は無いにしても、要するに作品自体が迷走してるのが問題なのか……。
同人誌『M.G.』の方に話を戻すと、原作読んで改めて見ると随分忠実になぞってたんだなーと思った。おかげで小説もイメージ持って読みやすかったし。いやまあそれでなくとも文体すげー平易だなーと思ったら元々『中一コース』に連載されてたっつーし。あと、前は気に止まらなかった由美もりお氏のパートが結構面白く読めたなー。後書きで萩原先生が言ってる「マンガで遊んでるカンジ」ってのにナルホドと。ちなみにコレって3人が専門学校時代の作品らしいけど、根本は変わらないね。萩原先生のは漫画パートもそうだけど、ネームの時点でも特に強調する部分(描き文字とか強いカゲとか)はマジック(マッキー?)みたいのでゴリゴリ描いちゃうようなの、近年の『下絵』本とかにも見られたなーと。
そーいやーバスタのネタ元あるってんで夢枕獏とかもいくつか買ってみてたんだけど読み止まってるなあ……面白いんだけど。'89.冬コミ発行『激バカGOLD』で萩原先生(週刊終了直後かな?)が「つぎはコレ!学園バイオレンス伝奇ロマン『聖獣戦線』(仮)をかくゾ!!」て書いてるのもそんなノリなのかなーと興味深かったんだけど……もう無理かな……。あーでもそのイラストにある少年の肩から狼みたいな獣が生えてるイメージってのは『ガードレス』でのゾアントロピー(獣化現象)なんかに表れてるのかなーとは思う。
あ、横の絵は「天才」大須賀雄一イメージ。