志村貴子
そういえば『敷居の住人』で興味深い場面あったので書き留めてみる。3巻23話で主人公みどりちゃんがバッティングセンターに行くのだが、バットの持ち方がメチャクチャなのね。構えてるコマ4つあるんだけど、持ち手バラバラ。
1コマ目。左打席に立ちバットを右手一本でピッチャー側に差し出す(打つ前の仕草)。
2コマ目。右打席に立つ。持ち手は正しい(右手が上)。
3・4コマ目。右打席だが持ち手は左手が上。
単にグリップ逆にして(右打ちなのに左手を上に)描くだけなら野球よく知らない人なんだな(或いは知っててもウッカリ間違うこともあるだろう)、で終わるんだが、コマ毎に違った描き方してるのが面白い。写真なり資料見ながら描いたとしても、左右バッターによって握り方が違う、というコト知らないとソコに気付かないのだろうと。いや、志村を責める気は全く無くて、こういうことはよくあって、例えば男がどんな頑張って女性用下着をカタログ見ながら描いても、女性から見たら思っ切り違う!みたいなズレは生じるのだろうと(腰骨に対するフィット感とか←テキトウです)。実物手にとったり実際穿いたりすれば近付けるかもしれんが……。要するに、自分が興味あったり意識がソコに向いて初めて認識が実在化する、とかなんとか、大江健三郎も書いてました(逃げんなよ)。
あーでも志村フリーク(フリーク?)として貴子さんの名誉の為に書いとくと、贔屓目あるかもしれんが総じて観察・描写力は鋭いですよ。最近だと『放浪息子』は精通なんかも描いてるので特に想像力必要だろうなあと思うのだが、寧ろちょっとしたシーンで3巻20話、ヒゲソリしてるお父さんが隣で歯を磨く修くんに、優しく笑って「シュウも使う?」と勧め修くんやや照れつつ「い…いいよっ」と断る。この辺の機微が女性なのによくぞ!って感じ。まあ性差つーか単に注意が行き届いてるってことかしれんが。
もう一つ思い出したそんなような描写。サイキケイタ氏(ちなみに女性)の同人誌(ジャスティス学園エロ)でアキラちゃんが風呂場でわき処理してるシーンがあってなあ、フツーそんなん思い付かねー、付いても(漫画の中で不自然でなく)よー描けんわー、と思ったんだった。余談だが、サイキ氏といえば同人やめたのかなー思た時期にジャンプ系でかっけーブロッケン本(キン肉マン2世)見つけて買ったら後で氏の本とわかってなんか嬉しかったですよ。いやほらなんつか別にネームバリュとかじゃなく偶然その本に目が留まった自分が……いやいいっす。
何の話だかもうサッパリだな。カテゴリも適当なのかどうか。